【現地情報】アメリカの賃貸オフィス
アメリカに法人を設立したり、現地事務所を開設したりする際に、オフィスをどうやって探したら良いかという質問をよく受けます。
日本と同様に、不動産業者を通じて商用ビルをリースするのが一般的ですが、設立したばかりの企業にとって賃料が負担になることが多く、また家具やコピー機といった事務所の一式を揃えるのも大変です。
アメリカには、通常のリースとは異なるオフィスの賃貸方法があり、スタートアップやスモールビジネスの力強い味方となっています。そのうちの3種類をここでご紹介します。
エグゼクティブスイート(Executive Suite)
日本の「レンタルオフィス」「共同オフィス」に近いと思いますが、呼び方がいいですよね。オフィススペースを小さな個室(スイート)に区切って、複数の企業が共同で使うタイプです。受付、会議室、休憩室、コピールームなどは共有し、テナントは1人から5人くらいを収容する個室を持ちます。電話応対、郵便物受け取り、来客対応といった受付業務も含まれているところが多いようです。
平方メートルあたり(アメリカでは平方フィートあたり)の単価は通常のリースより割高になりますが、オフィス機能の一部を共有することで賃料を抑えることができ、また受付スタッフを自前で雇う必要もありません。スタートアップ企業にとってありがたい存在です。
エグゼクティブスイートは交通の便が良く、きれいで新しいビルに入居していることが多いので、通常のリースでは手が届かないビルを利用することも可能です。
エグゼクティブスイートの例
Barrister Executive Suites
ビジネスインキュベーター(Incubator)
主にハイテクやベンチャーのスタートアップを対象に、生まれてたてのビジネスをインキュベート(孵化)させる目的で運営している組織で、自治体や地元の商工会議所などが出資していることが多いです。サービスは格安のオフィスリースだけでなく、投資家の紹介、人脈開拓、コンサルティングなど、様々なスタートアップ支援が含まれています。
運営組織によって特徴が異なりますが、共通するのは単なるオフィスの間貸しではないということです。企業として成長して将来は地元経済に貢献することが期待されていて、テナント同士の付き合いや関連団体とのネットワーキングなどは必須です。人脈づくりが重要なベンチャー企業は、ぜひとも検討したいオフィスのオプションです。
ビジネスインキュベーターの例
Business Technology Center of Los Angeles County
コーワーキングスペース(Co-working Space)
新しいタイプの共同オフィスです。エグゼクティブスイートよりも敷居が低く、個室を持たずに机を並べただけの共同スペースで仕事をします(中には個室を提供しているところもあります)。会議室、休憩室、コピールームなども完備されています。金融危機後、仕事が激減してオフィス代が払えなくなったスモールビジネスの間でこういった共同オフィスのニーズが拡大し、コーワーキングスペースと総称されて発展しています。
大きな特徴はその気軽さと言えるでしょう。共同なので賃料は格安、毎日オフィスを使用する必要がなければ、1日単位で借りることもできます。会議室は1時間単位で借りることができます。必要な時に必要なだけ借りることができる利便性がうけているようです。
コーワーキングスペースは単なるスペースの貸し出しだけでなく、利用者同士のネットワーキングや相互協力なども積極的に推進しています。ここから新たなビジネスアイデアが生まれ、さらに大きな事業に育っていく可能性も大きいのです。特に若い世代のフリーランサーや起業家の利用が多いようです。
コーワーキングペースの例
Collab Space
こういった賃貸オフィスはたいてい住所のレンタルも行っており、バーチャルオフィスを持つことも可能です。いきなり大枚をはたいて立派なオフィスを構えるより、最初はこういったオフィスを活用し、会社の成長と共にオフィスも拡張していくのが得策といえるでしょう。
賃料の目安はこちらの投稿を参考にして下さい。



