法人設立の基礎知識
アメリカで起業する上でまず知っておきたい基礎的な情報です。カリフォルニア州における制度をご紹介します。
事業形態
法人としての事業は以下のような形態にわかれます。事業形態を決め、適用される法律を把握することが重要です。
Sole Proprietorship
一人の個人によって所有される事業体で、日本の個人事業にあたります。銀行で法人口座を開設することができ、従業員を雇ったりなど、法人としての様々な活動が可能です。事業で発生するすべての債務に対して、所有者が個人的に責任を負います。事業によって得る利益は、所有者個人の所得税として申告します。事業を行うカウンティ(郡)の役所で登記を行います。
Partnership
二人もしくはそれ以上の個人によって所有される事業体で、共同経営にあたります。Partnershipには2種類あり、General Parnershipでは、各パートナーが事業体の代理として個人的に行動できますが、責務に対しても個人的に責任を負うことになります。Limited Parnershipでは、特定のパートナーの権利と責任が制限されます。事業によって得る利益は、所有者個人の所得税として申告します。事業を行う州の商務長官オフィスで登記を行います。
Limited Liability Company
CorporationとParnershipの中間的な存在でLLCと省略され、有限責任会社にあたります。出資者は出資額を限度として責任を負い、事業体の債務に対する責任は持ちません。構成員の権利や責任は協議によって決定することができ、そのため柔軟な会社運営が可能となります。事業によって得る利益は、構成員の所得として課税され、LLCへの法人課税はありません。事業を行う州の商務長官オフィスで登記を行います。
Corporation
所有者から独立して法人格を成す事業体で、株式を発行します。経営者、出資者への責任は有限ですが、法人税が連邦および州から課されます。一般的な株式会社はC Corporationという分類で、ほかに税制が優遇されるS Corporationもあります。外国人が労働ビザを取る場合、そのスポンサーとなる企業はCorporationが一般的です。事業を行う州の商務長官オフィスで登記を行います。
ほかにも、弁護士や会計士などの専門家で構成するLimited Liability Partnership (LLP)、Joint Venture(合弁事業体)などがあります。
株式会社設立の手続き
現地法人として最も一般的なC Corporationの設立に伴う手続きです。
1)登録企業名の確保
2)定款(Articles of Incorporation)の作成と申請
3)会社内規(By-laws)の作成
4)第一回取締役会議事録(Minutes)の作成
5)雇用者納税番号(Employer Identification Number)の取得
6)株券発行の通知(Department of Corporations宛)
7)株券の印刷
8)年次報告書(Statement of Information)の申請
9)社印(Corporate Seal)の作成
10)Corporate Kitの用意
*当社の法人設立サービスには、上記の手続きがすべて含まれています。
このほかに、事業の内容に応じた認可(Permit)や資格(License)が必要になることがあります。
手続きに必要な期間は最短45日です。官公庁の混み具合によってより時間がかかることがあります。
関連用語
1) Fictitious Name
DBA (Doing Business As)とも呼ばれます。いわゆる事業の屋号のこと。企業名と別の事業名で活動する時は、DBAをカウンティ(郡)のオフィスに届け出ます。
2) Agent
法的な代理人のこと。カリフォルニアでは、定款および企業ファイリングにAgentを定める必要があります。Agentが個人の場合、カリフォルニアに居住する者でなければならず、連絡先としてカリフォルニアの住所を提示しなければなりません。
3) Director
取締役のこと。カリフォルニア州で設立する法人の取締役には、少なくとも1人のカリフォルニア居住者が入ってなければなりません。日本の企業が進出するにあたって、現地の居住者に取締役を依頼する必要があるかもしれません。
4) Branch
いわゆる「支店」のこと。所定の手続きを済ませれば、外国企業の支店をカリフォルニア州に設置して企業活動を行うことができます。法人を設立するか、支店を設立するか、両方のメリットとデメリットをよく比較する必要があります。
5) Zoning
自治体が定める区画規制のこと。住宅地域に商業が開設できない、学校や教会から一定の距離内でアルコールを販売できない、開業できる小売店の種類が限定されるなど、様々な規制があるため、事前によく調べる必要がある。
6) Social Security Number
SSNと省略される個人の納税番号のことで、滞在資格を持つ者に発行されます。雇用者納税番号(Employer Identification Number)、官公庁での手続き、銀行口座の開設などにはSSNが必要となります。
7) Individual Tax Identification Number
ITINと省略される個人の納税番号ことで、滞在資格を持たない者に発行されます。日本の企業が進出するにあたり、幹部にSSNを持っている人がいなければ、ITINをまず取得します。
8) Employment Development Department
EDDと省略されるカリフォルニア州労働省のことで、ここで連邦とは別に雇用者納税番号(EDD Number)を取得しなければなりません。EDD番号がないと認可や資格が下りないこともあり、従業員に給与を支払うこともできません。


